副業で月5万円と転職で年収60万円増を、手取り・時間・将来で比較する

副業で月5万円と転職で年収60万円増を、手取り・時間・将来で比較する

副業で月5万円を得る場合と、転職で年収が60万円増える場合は、どちらも額面では年60万円です。しかし、税・社会保険、追加の労働時間、年金や手当、元へ戻りやすさまで含めると同じではありません。

本記事では、年収400万円、30歳・独身・東京という作った例で手取りを試算し、公的統計と調査を使って時間とリスクを比べます。結論は勝ち負けではなく、いま困っていることによって変わります。

情報は2026年10月14日時点のものです。制度・労働条件・統計は変わることがあります。出典は記事末尾にまとめています。

転職・退職の判断は、ご自身の状況に合わせて行ってください。労働条件のトラブルは、労働基準監督署や総合労働相談コーナーで相談できます。記事中の人物・会社・試算は、特記のない限り説明のための例です。

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この記事のポイント
  • 作った例では、副業60万円の手取りは約51万円、転職による給与増60万円は約45万円です。
  • 副業は追加の時間が必要で、転職の給与増は年金や傷病手当金の計算の土台になります。
  • 給与の天井を変えたいなら転職、低リスクで試したいなら副業が候補になります。

額面60万円を同じ条件にそろえる

本記事の副業は会社員が業務委託で年60万円の報酬を得る例です。必要経費はないものとして計算しており、雇用契約のアルバイトや経費がある場合は結果が変わります。

転職による60万円増は給与なので、健康保険、厚生年金、雇用保険などの本人負担が増えます。業務委託の副業報酬は、通常は本業の社会保険料の算定に入りません。[s5][s6][s7]

税額は本業の年収、控除、家族構成、住民税の自治体によって変わります。ここでは30歳・独身・東京、協会けんぽ、経費なしという共通条件で差を見ます。[s5][s10][s11][s12][s13]

主要キーワード・用語の定義
額面
税金や社会保険料を引く前の報酬・給与です。
業務委託
雇用ではなく、仕事の成果や業務に対して報酬を受け取る契約です。
報酬比例部分
厚生年金のうち、加入期間と標準報酬に応じて決まる部分です。[s8]

手取りは副業のほうが多くなる試算

作った例で転職後の年収が400万円から460万円になると、60万円の増加に対し、社会保険料が約8.8万円、所得税が約2万円、住民税が約3.9万円増えます。手取りの増加は約45万円です。[s5][s6][s7][s10][s11][s12][s13]

転職で給与が年60万円増えた場合の試算

図解

転職で年収+60万円のとき(年収400万円・試算)

業務委託の副業で年60万円を得る例では、本業の社会保険料は増えず、所得税と住民税を引いた手取りは約51万円です。必要経費を0円とした試算で、契約形態や他の所得によって変わります。[s10][s11][s12][s13]

副業で報酬を年60万円得た場合の試算

図解

副業(業務委託)で年60万円のとき(試算)

給与以外の所得が年20万円を超える会社員は、原則として確定申告が必要です。副業の売上ではなく、必要経費を引いた所得で判定します。[s14]

副業には追加の労働時間がある

JILPTの調査では、正社員の副業時間の中央値は週8時間でした。月に直すと約35時間で、通勤や準備、案件を探す時間が加わる場合もあります。[s3]

年480時間で60万円を得る試算

数字

副業の時給(年60万円 ÷ 年480時間・試算)

1,250 円
時給(額面)
1,060 円
時給(手取り・約)
1,280 円
東京都の最低賃金(10月1日から)

年480時間で額面60万円なら時給は1,250円、手取り51万円なら約1,060円です。業務委託には最低賃金が原則適用されないため、作業時間を記録して自分で時給を確認する必要があります。[s16]

手取り・時間・将来・リスクの4項目

比較表

4番勝負(年収400万円・試算)

項目副業 月5万円転職 年収+60万円
手取り約51万円約45万円
時間年480時間増えない※
将来実績が残る年金・土台
リスク戻りやすい下がる人も

転職でも、固定残業代、実際の残業、通勤時間が増えれば自由時間は減ります。内定時は年収だけでなく、固定残業の時間数と金額、出社日数、通勤を同じ表に並べます。[s21]

給与増は年金と手当の土台になる

給与が増えると厚生年金の報酬比例部分も増え、病気やけがで休んだときの傷病手当金の計算にも影響します。副業の業務委託報酬は、通常これらの算定には入りません。[s8][s9]

年収60万円増が続いた場合の年金試算

グラフ

年収+60万円の年数と、増える年金(試算)

1年
約3,300円
5年
約1.6万円
10年
約3.3万円
38年(65歳まで)
約12.5万円
65歳から毎年。生きているあいだずっと

報酬比例部分の式(平均標準報酬額×5.481/1000×月数)で計算した目安

図は年収60万円の差が1年、5年、10年、38年続くと仮定した概算です。実際の年金は標準報酬月額、加入期間、制度改正によって変わるため、将来額を保証するものではありません。[s8]

一方、副業は本業を続けながら別の顧客や業務の実績を作れます。ただし、案件が続く保証はなく、パーソルキャリアの調査では、年収800万円未満の層で副業報酬の中央値は月5万円でした。[s4]

失敗したときの戻りやすさを比べる

厚生労働省の調査では、25〜29歳の転職者で賃金が増えた人は49.8%、減った人は23.9%でした。転職した人の集計であり、応募すれば上がる確率ではありません。[s1]

25〜29歳の転職後の賃金変動

グラフ

転職した25〜29歳の賃金(前の仕事とくらべて)

1割以上 増えた
34.2
1割未満 増えた
15.6
変わらない
25.0
1割未満 減った
7.4
1割以上 減った
16.5
+60万円(15%)は いちばん上の34.2%

厚生労働省 令和7年雇用動向調査(2025年に転職した人)

転職は給与の土台を変えられる一方、入社後に仕事内容や文化が合わなくても前の会社へ戻りにくい面があります。副業はやめても本業が残りますが、過重労働や本業の評価低下に注意が必要です。

副業を認める会社の割合

数字

副業を認めている会社(2025年12月)

56.4 %
全体(条件付きもふくむ)
33.6 %
大企業
74.7 %
認めない理由「本業のパフォーマンス低下」

東京商工リサーチの調査(5,524社)

東京商工リサーチの2025年12月調査では、副業を条件付きも含め認める企業は56.4%でした。始める前に就業規則、届出、競業、秘密保持の条件を確認します。[s17][s18][s19]

自分の困りごとで順番を決める

今の会社の給与テーブル上限や業界相場が問題なら、転職によって土台を変える方法があります。会社は好きで新しい仕事を試したいなら、副業で小さく実績を作る方法があります。

転職と副業が向く場面の整理

要点

どっちが向いている?

転職

天井に近い・業界の相場が低い

副業

会社は好き・試したいことがある

順番に

実績がない → 副業で作って転職

副業で実績を作ってから転職する、社内昇格を先に試すなど、順番を組み合わせることもできます。求人3件と就業規則を確認し、手取りを追加時間で割った時給まで比較してください。

まとめ

同じ額面60万円でも、作った例では副業の手取りが多く、転職の給与増は社会保険と将来の土台になります。副業は追加時間、転職は戻りにくさという別のリスクがあります。

四つのものさしで選ぶ

副業と転職、どっちが得?
  • 同じ年60万円でも、手取りは業務委託の副業が多め
  • 1時間あたりと年金の土台は転職、戻りやすさは副業
  • 決め手は困りごと。天井なら転職、試すなら副業

手取り、追加時間、将来の土台、失敗時の戻りやすさを一枚にまとめてください。自分の困りごとが給与の天井なのか、経験不足なのかで、先に試す選択肢が決まります。

実践のポイント・まとめ

POINT 1

額面ではなく手取りを試算する

税・社会保険・経費を同じ前提にそろえ、年間で比較します。

POINT 2

追加時間を含む時給を出す

作業、準備、移動、案件探しの時間を記録し、手取りを合計時間で割ります。

POINT 3

固定残業と副業ルールを確認する

内定条件と就業規則を読み、年収の内訳、届出、競業、秘密保持を確認します。

出典・参考文献

※ 手取りと年金は、30歳・独身・東京、年収400万円、協会けんぽ、経費なしなどを前提にした試算です。

※ 副業は業務委託の例です。雇用契約や必要経費がある場合は税・社会保険・労働法の扱いが変わります。

※ 転職後の賃金変動は転職した人の集計であり、個人の確率を示すものではありません。

※ 個別の税務は税務署や税理士、労働条件は総合労働相談コーナーなどへ確認してください。